2010年11月13日土曜日

2010年は「3D」と「カーシェア」の元年と言える

 2010年の3Dはテレビ・ゲーム機と何かと話題である、個人的には視覚的な3Dよりも感知的な3Dの普及の元年と見ている、感知的というのは触れて反応するという分野であるがこれはまだ先の世界であるが実現は出来ると思う、そんな中で地味に「カーシェアリング」というビジネスが注目が高い


 現在は試験的な運用が多い、但し実用化をしている大手は4社である、特徴的なのは「駐車場運営会社」が強いと言うことである。

 不動産会社と言えば「オリックス」である、オリックスはオリックスレンタカーという事業も展開しているが不動産とカービジネスの橋渡し事業として「カーシェアリング」を事業化している。

 Times24のパーク24はマツダレンタカーを買収し本格的にカーシェア事業に乗り出している、驚くのが関係ない分野と思われる三井物産が事業として展開している事である、カーシェアリングの4大大手は「パーク24」「オリックス」「三井物産」「日本駐車場開発」である。

 カーシェアリングの特徴は「15分・30分」という短い時間の利用が出来る事である、レンタカーは日単位で貸す事業なので事故や修理の代車・観光地・旅行の代車という感じであるがカーシェアは「日常」で利用する事がメインである。

 例えば「車は利用したいけど一日平均の利用時間は15分から30分程度である」という層は非常に多いと思う、地方の都市部の場合は通勤にも車を利用する人が多いため現実的ではないが都内の場合は非常に合致する。

 都心部に住むのなら「自動車の維持に掛かる駐車場利用料金は馬鹿高いためカーシェアで済ませた方が合理的である、自動車税・自動車取得税・車検代・ガソリン代・損害保険料・駐車場料金という自動車保有に必要な維持費が不要だからである」それだけ経費が節約できれば「自動車の利用を保有からカーシェアに切り替えると年間ベースで20万円~30万円の生活費の低減が可能なのである、現在は子ども手当も支給されている現状である。」正にキャッシュフローを重視できる「家計対策にも繋がる」という感じに見える。
「5」

 マーケット層は子供の送迎に車が必要な主婦・ちょっとした買い物で車を使う生活者・病院へ日常的に通院する親族がいる家庭、経費節減のため官公庁・企業の自動車台数保有の調整手段と裾野が深い、カーシェアを利用できるのはカーシェア会社の会員になる必要が有る。

 そこがレンタカーと異なる点である、レンタカーはお金を払い日で貸し出しをする、カーシェアは会員限定で貸し出しをする、会員は基本年間会員費を徴収され、利用は1回200円から500円位の金額で自動車を利用できることとなる。

 カーシェアリングは主に拠点間でリースをするのがメインである、例えば「Times24」の場合は都心に存在する駐車場間で貸し付けを実施する、15分利用したい人は駐車場から駐車場拠点へ車を借りて戻す作業である。

 オリックスは提携している駐車場への貸し出しである、三井物産も同様の拠点事業で展開している、具体的には車にカードキーがありGPSで管理しているシステムである。

 カーシェアリング事業に必要なのはGPS・拠点・登録会員の3点である、その3つをカバーするのが「ITシステム」であるがレンタカー会社があまり参入しないのは「車そのものよりも不動産・IT的なニーズが高い」からである。

 最近は分譲マンション・賃貸マンションの管理組合がカーシェア会社と提携して管理組合員限定で実用化する動きも有る、また公用車の電気自動車をカーシェアして「エコドライブを体験する」モニターを募る方式も盛んである。
「1」「2」「3」

 今後は自動車の販売会社も乗り出してくる可能性が高い、カーシェア会社と提携して全国の会員に試乗キャンペーンを募集して「Blog」「Twitter」「SNS」でユーザーの生の声も取得する事も可能である、トヨタ・日産・ホンダ・外国車メーカーあたりも試乗車向けのカーシェアに乗り出してくる可能性も高いと思われる。「4」

 石油元売りは新たなる事業の発掘で「カーシェア事業」をに乗り出している「昭和シェル」が有名であるが拠点は「昭和シェルのガソリンスタンド」である、GPSとITシステムが発達すれば、首都圏という限定値でなくローカルエリアまで展開できる強みがあると思われる、ガソリンスタンドは全国に拠点があるため裾野を広げる可能性がある。「5」

 現在の難点は、カーシェアの管理が困難である事、台数が少ないため利用者の集中時間での稼働数が今ひとつ把握できないこと、車種が少なく拠点が狭く裾野が浅いという点が挙げられる。

 日本人の不動産に対して所有に拘る性質からシェア(共有)は浸透は難しいのでは?というコメントも聞くが、僕はそう思わない「日本のマンションは壁の内側は所有権であるがバルコニー・廊下・敷地・駐車場は共有」だからである。

 自動車も所有以外に共有(シェア)できるという事が日常生活で当たり前になれば「カーシェアはマンションの敷地利用権と同じ」という事で違和感なく普及すると思う、早い話「敷地利用権をスムーズに運営する仕事は管理会社なので、カーシェアも管理会社が上手く管理すれば問題ない」と言う事だと思う。

 カーシェアの稼働時間はITに似ている、ITも利用時間というのは集中時間があり、サーバーがパンクしそうな状態である、カーシェアもその可能性が高い、先ず子供の送迎・夕飯時の買い物用に利用された場合、午後15時から19時までは集中するため車がないという状況が出現しやすくなること、土曜・日曜は時間単位で車を貸す場合、拠点地区の稼働自動車台数の管理が困難となりやすい点があると思われる。

 カーシェアリングの事業で難点は「稼働管理を徹底しないと時間的なロスと機会損失を発生しやすい事業」であるという特徴が有るという認識でよい、若い不動産経営者からも注目を浴びている事業である、元ファンド系不動産会社に所属し独立をして新しい不動産の付加価値を研究し研鑽し実践している不動産業の経営者達も注目しているのが面白いと思う。
「6」

 カーシェアを実際運用する場合のキーワードは「GPS」「スマートグリッド」「スマートフォン」の3つがIT活用での重要であり「拠点」「車種」「シェア方法の確立」が不動産の有効活用での重要点である。この6つが機能すれば完璧な条件が揃うと思う。

 不動産会社はフリーレント・ルームシェアよりもカーシェア事業者との提携に力をいれると面白いと思う、カーシェア事業を推進すれば都心居住者の場合は、年間生活費が20万~30万円浮くセールストークにもなる、悪戯に家賃を下げるよりは効率的で良い戦略の一つとなる可能性が高い。


※注釈 リンク先

「1」【オリックス自動車、木下工務店と提携 カーシェア×賃貸 入会促進 (1/2ページ)(2010.11.13 Sankei Biz)


「2」【電気自動車(EV)のカーシェアリングモデル事業を実施します!(2010.10.26 東京都 環境局)


「3」【公用車のEVで無料カーシェアリング…パーク24と北九州市(2010.10.06 Responce)


「4」【販売店行かずに好きな車試乗 フォルクスワーゲンが新営業手法(2010.11.13 J-Cast News)


「5」【まちのりくん カーシェアリングとは(昭和シェル石油 まちのりくん より引用)


「6」【カーシェアと賃貸はエコか!?(2010.11.11 風戸 裕樹(日本を変える不動産取引を推進)blogより引用)


パーク24は配当狙いで買ったんだけど意外に良い銘柄で驚いている、11月20日位には売却する予定であるが「新しい不動産事業」を知るキッカケとなった銘柄としたい。

 カーシェアは「エコを全面にセールスしているようだが、生活(キャッシュフロー)でセールスした方が認識が早いと思う」何故なら目に見えない生活費の削減が可能だからである、都心在住のFPは積極的に学ぶのも良いと思う。

 引用「6」のBlog主はリンク引用のお願いをしようとコメントを書こうとしましたが「Ameblo会員」しか書き込めないため、何も出来ず「勝手に引用した」のは申し訳ないと思います。